歯根嚢胞・歯根端切除術を受けた体験レポ

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産後3ヶ月たった頃、長年の歯根嚢胞とおさらばすべく入院して手術を受けた記録です。

歯根嚢胞との長いお付き合い

神経の治療と差し歯

かれこれ20年以上前に、2番目の前歯の神経をとって差し歯にしました。

子供時代からの付き合いでのっぺり黄ばんでいたその差し歯を、透明感のある綺麗なものに替えてもらったのが12年ほど前、24歳の頃でした。

当時初めての海外出張を控えていた私は、よくよく調べもせずに近くのきれい目な歯医者さんに駆け込んで、とにかく早く綺麗にしてくださーい!と大枚叩いて新しい差し歯への工事を行ったのでした。

その歯医者さんはいわゆる「地雷歯医者」だったようで、程なくして通うのをやめてしまいました。

歯茎が膿みはじめ… 歯根嚢胞の登場

しばらくしてから、仕事が忙しくなったり悩みでストレスが溜まるたび、上顎にぷっくりとおできのような膨らみが出るようになりました。舌先に触れる膨らみが気になるけれど、痛いほどのものではないので、放置すること数年。

とても信頼していた歯医者さんから、レントゲンで「前歯の根っこに影があるので、まずはこの処置をした歯医者さんに聞いてみたほうがいい」との助言をいただきました。

今思えばその時すでに歯根嚢胞になっていたのですが、緊急を要する症状ではなかったので、若くて愚かだった私はまたしても放置してしまったのでした…。歯も高かったし、壊したくなかったしね…。

その膨らみが、虫歯の比じゃないくらいに激烈な痛みを持ち始めたのは、2018年に第1子を出産してからちょうど2週間後のこと。子育てという初めての経験に揉まれる中、文字通り人生最大のストレスを抱えていたんですね。

夜も眠れない強烈な痛み(ただでさえ夜間授乳で眠れてない!)に、子供を母に預けて歯医者さんに駆け込んだところ、近くの総合病院の口腔外科に紹介状を書かれることになりました。

そこで初めて、外科的手術が必要なほどの状態になっていることを知ったのです。

数年越しの放置

ただ、産後2週間でまだ母乳育児を軌道に乗せるべく頑張っていた時期。母体への負担や授乳リスクを考えると、断乳してから処置をしましょうということに。

そして2歳直前、別の手術(子宮筋腫)のために断乳。

筋腫をとった達成感からか、歯の手術のことをチラリと頭がよぎりつつも、私はまたしても歯根嚢胞を放置してしまったのでした。

そして上の子が3歳になり、2人目妊娠。毎日のつわりと大きくなるお腹のしんどさに、歯根嚢胞のことなんてすっかり忘れてしまいます。

妊娠中のストレスで、一度歯根嚢胞が大暴れし、またも口腔外科の扉を叩きました。「産後落ち着いたら処置しましょう」ということで、次こそは必ず処置すると誓って、出産・子育てに入っていくのでした。

手術(歯根端切除術)を決意してから

時は流れて2021年末、無事に第2子を帝王切開で妊娠。

新生児育児のストレスは1人目とは比較にならないほど小さいものでしたが、やはり日々蓄積していっている疲労と睡眠不足から、歯茎の膿が暴れ出しました。

すぐに口腔外科の先生に訴え、手術を予約。その頃には母乳も安定しているであろうと、ちょう産後3ヶ月となる日の翌日に手術・一泊入院となりました。

手術の内容は「歯根端切除術」。

帝王切開や子宮筋腫で手術や麻酔、入院には慣れていたものの、一番心配なのはおっぱいがはち切れてしまうんじゃないか… ということです。

入院前+退院後に母乳マッサージを予約し、メデラの搾乳機もゲットし、夫にも夜間授乳の心得を伝えて、万全の体制で準備に励みました。

お高くて悩んだけど、やっぱり電動にしてよかった!

その後、保育園に預ける間も大活躍することになりました。

入院

13:00 に入院して、すぐに抗生物質の点滴開始。14:30 ごろオペに呼ばれます。

手術室でやるものとばかり思っていたら、なんと口腔外科の外来診察の椅子でオペとのこと!

日常感にびっくりしながら移動して、まずは局所麻酔を何箇所か注射。

局所麻酔だけで手術する人もいるらしいけど、やはり骨を削る感覚などが怖いので、半分眠ったような感じになる静脈麻酔(静脈内鎮静法)も追加してもらいました。

局所麻酔だけだと日帰りできるが、この静脈麻酔を追加すると、1泊入院が必要とのこと。痛み止めの点滴も打ってもらいたいし、家に帰ってしまうとどうしても子供たちが寄ってくるので、入院を選びました。

そんなわけで静脈麻酔追加後の意識はありませんが、途中でこの麻酔が覚めて、ぼんやりとした痛みを歯茎に感じるようになりました。スプーンのようなもので歯茎の肉をガリガリ削っている感覚も。

「痛い?」と聞かれたので「痛いです」と答え、だんだん怖くなって覚醒。チクチク縫われている痛みは感じませんでした。

よくわからないうちに手術が終わり、車椅子で病室に戻る。

2時間ほど絶飲食で、夕方にはご飯が出ます。初めての「きざみ食」。出汁の味がしっかり感じられて美味しかった〜。

早めに就寝し、夜中はしっかり搾乳。久しぶりに長く眠れて元気も回復。

朝ご飯も刻み食。温玉が嬉しいね。

モリモリ完食して、10:00には退院です。

退院後

1日目

元気

唇の裏がめちゃめちゃ内出血しているけど、顔の腫れはほとんどわからず。そして元気。

痛みもほとんどなく、もらったロキソニンは一つも飲んでません。

ランチは焼きそばを食べに行くも、ちょっと口が開きにくいのと縫い糸が邪魔して食べづらいので、半分くらい残す。

夜は餃子を少しと、豆腐たまごスープで夕飯。

2日目

この日が一番腫れました。上唇がタラコになり、鼻の下部分が浮き上がったような変な顔に。

それだけでなく、手術で触ってもいない頬全体に紫色のチークを塗ったような内出血が出現してびっくり。翌日には消えましたが。

目元とか、顔全体も浮腫んだような感じ。体もなんとなくだるい。

フリーズドライのおかゆ。ゆるゆるのティラミス。夜は薄切り牛肉でハヤシライス。

食べるのがちょっと辛くておやつが減りました。

3日目

痛いというより打撲のような重さ。上から触るとズーンと響く感じ。

外からの腫れはほぼわからなくなってきた。

お昼は具が細かめのちらし寿司。

夜はふろふき大根や野菜のおかず。前歯でベーコンを噛んだらすごい違和感。グラグラ動くと怖いので前歯を使わずに噛む。

4日目

口は開くようになったけど、前歯で噛むのはまだ怖い。

傷というより、糸がひきって痛い。早く抜糸してほしいなあ。

5日目

 この日から、違和感・痛みがとても楽になりました。朝ご飯からフルで食べまくり。ご飯がうまい!

時々糸が引き攣るのが気になる程度。恐る恐る前歯にフロスしてみたら、感覚がまだなくて不思議な感じ。

7日目には抜糸して、ほとんど違和感がなくなりました。

抜糸は全然痛くなかった!

後悔とこれから

手術&入院費用

今回の手術にかかった費用は、1泊入院費(相部屋)も込みで、40,000 円程度。

保険適用なので、高額療養費を使うまでもない程度の金額でした。

術後色々調べていたら、開業医の歯科医院などでは、自費での歯根端切除術という選択肢もあったようです。

手術自体をマイクロスコープを使ってかなり精緻に行ったり、切った歯に充填するお薬に高価なものを使ったりとで、再発率がかなり低くなるとのこと。

今回の保険適用の手術では、再発の可能性は否めない、と医師に言われてしまいました。

簡単な手術とは言ってもしばらく痛くて辛かったし、切った歯は短くなって何度も同じ手術ができるものではないので、もっとよく調べて、最初から自費でやっておけばよかったなと少し後悔。。

最初しないことを祈るばかりです。

今後の発生を防ぐために

抜糸の日に再度撮ってもらったレントゲンを見ていたら、はるか昔に神経をとった奥の銀歯2本にも、黒い影が見えるとのこと。

自覚症状や腫れはまったくありませんが、経過観察と言われてしまいました。

また歯根嚢胞になるのは怖すぎるので、自費で根っこの治療ができる歯科を探して、症状のないうちから根管治療をしていきたいと思います。

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